鮮明に覚えている光景
「なんでぇーーーーーー!!」
お義父さんからの電話で夫が亡くなった事を聞かされた。
月明かりの入る静まり返った台所で、私のシングルマザーとしての人生が始まったのだ。
あの状況だけは、14年経った今でも鮮明に覚えてる。
これからも忘れることのないだろう
全身の血の気が一気に引き、真っ暗闇に突き落とされた瞬間だ
病院へ
いつもと変わらずぐっすり眠っている子供たちを起こし病院へ。
まだ少しあたたかい、でも冷たい夫がそこにいた。
長男はパパをまじまじと見つめ、次男は全く状況が分かっていない様子で
三男は大人たちの異様な空気を察してか、怖がってパパに近づきもしなかった。
病院側との今後についてはお義父さんに任せ、
夜中にも関わらず駆けつけてきてくれた、夫の会社の社長さんへの対応をした。
しばらくして、コンパクトにまとめられた夫の入院中の荷物を持ち、タクシーで帰路についた訳だが
全く記憶にない。
ただ夜中の高速道路の街灯はオレンジ色でまぶしかった。
再確認するかのような現実
次の日の朝
誰もいないリビングで、やっぱり夢じゃなかったのかと、目を覚ましてしまった自分を後悔した。
自分だけ時間が止まってるような感覚。
実は夫が亡くなったというこの現実が夢で、いつまでも悪い夢の中にいるんじゃないかと思うほど
おかしな感覚に、錯覚さえ覚えた。
やっぱり14年経っても思い出すだけで息が苦しくなるなぁ。
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